来週末に実力試験を控え、非常に忙しい。

この試験、1年の時は専門科目5つを一度に行ってきた。2年になって科目数が増え、8つを一度に行う。内容も濃く難しく、範囲は途方に暮れるほど広い。

試験範囲の勉強が終わりきるのだろうかと焦りを感じつつ、電車時間や夕食後の時間を使ってひとつひとつ問題に取りかかる。家事時間や車の運転時間にはレコーダーに吹き込んだ暗記の用語を聞く。こうして食事時間と入浴時間以外は勉強のために脳味噌を捧げていると、なんだか気持ちが荒んでくる。

「たまにはいいだろう。」と思い、今日は車の中で久々に音楽を聴いた。シェーンベルク作曲の「浄められた夜」。弦の振動が心地いい。

というわけで、カエル君を助けてから(前回の記事)だいぶ時間が空いてしまった。その間色々書きたいことはあったので、忘れないために今日やっと筆を執る。(キーを打つ。)

先月のある夜、夫が「肩が痛い。上がらない。」と言いながら帰ってきた。私にとって授業で習ったことを生かすチャンス!

ペインフルアークサインという徒手検査をすると、まさに教科書通りの症状!肩関節外転で、0~60°では痛みなし、60°~120°では「いててて。」120°~180°では痛みなし。

この検査で陽性だと、腱板損傷が疑われるらしい。腱板とは、別名回旋筋腱板(ローテーターカフ)の①棘上筋②棘下筋③小円筋④肩甲下筋。

「鍼灸で治療してみる?」この言葉にいつも夫は首を横に振ってきた。

※ちなみに私はまだ学生で国家資格は未取得ですが、本人の了承を得て家族に施す程度なら違反にならないそうです。業として行っていると処罰の対象となるそうですが・・・。

夫は今まで、「鍼は痛いしお灸は熱いからいやだ。」とかたくなに拒否してきた。しかし今回は鍼灸を受けてみるというではないか!渋々という感じではあったけれど。

気が変わらないうちに!ということでいそいそと準備して施術する私。

肩ぐう、巨骨、天宗、肩井、臂臑を治療穴としてセレクト。

「まだ~?風呂行きたいんだけど。」と言う夫。治療はそんなに痛くも熱くもなさそうだが、早く終わりにしたいらしい。

施術後「どう?」と聞くと腕をぐるっと回そうとしながら「あ、動く・・・けどやっぱり少し痛いな。」

そんな急には効果でないのかしらね・・・と思っていると、風呂からあがった夫が「あれ?痛くないかも。」と言いながら、肩をぐるぐる回している。

そして、次の朝は「もう全然痛くない。」と言う!

やはり先手必勝で痛んですぐに治療したのがよかったのか、風呂で温められたから良くなったのか・・・。とにかく夫の肩の痛みがよくなった。

急性のものは、治るときは速いのかもしれない。慢性のもののほうがすっきり取り除くのは難しいし時間もかかるのかもしれない。東洋医学では、それぞれ表証、裏証と言い表します。

学生の身では、目の前の試験や授業でいっぱいいっぱいだけれど、得た知識や技術で人の痛みや不快を取り除き、元気な方向へ道筋を作れるということは本当に幸せなことだ。将来臨床の現場に立ったときに痛みや苦しみがある人の役に少しでも立てるよう、日々の学習を頑張りたい。