やられた。風邪に。

何回か前にこんな記事を書いておきながら。

期末テストが無事終わり、心身共に抜け殻になっているようなところに、うまく入り込んできた風邪ウイルス。あれ?何かちょっと変かも?喉痛いかも?と思った時が、ちょうど夜中、布団の中に入っていたときで。

「今から布団の外出てお灸するのもな~寒いしな~。いいやこのまま寝ちゃえば。」と思ってやり過ごそうと思ったら、やり過ごせなかった。風邪をひくことを英語では「catch a cold」と言うけれど、まさに、がっちりキャッチしてしまった。

東洋医学では、感染症のことを疫癘(えきれい)と言い、外感病、つまり外邪に分類される。

まさに守りが弱かったスキに攻め込まれた感じだ。

熱はそれほど上がらなかったのだが、鼻の奥が痛い。キリか剣山で刺されているような激痛だ。

 

そして頭も痛い。熱も下がって鼻の奥の痛みもひいてきても、頭痛はしぶとく残った。

ちなみに、脳そのものは痛みを起こさない。痛いと感じるのは主に髄膜や血管の方だ。

風邪はほとんどがウイルス性によると言われており、からだの中では感染源を排除しようと、白血球のはたらきが盛んになる。いわば、交番のおまわりさん達が一斉にパトカーで現場に向かう感じか。

「みんな出動!犯人のいる現場に向かえ~!」

すると、おまわりさん達が現場に向かいやすいよう、道行く車はパトカーに道を譲るだろう。からだの中で言えば、血管が拡張して、血流がよくなる(発熱を伴うなどして)現象がこれだ。この血管拡張に関するものとしてはブラジキニン、ヒスタミンなどだ。からだに悪いものが入ってきた場合は血管を広げてさっさと流してしまいたいのだ。

しかし、この血管が拡張することにより、炎症が起きたり神経を刺激したりする。そうそう、炎症というのは、それ自体が免疫反応で、からだが外邪と戦っている証なのだ。だから、抗炎症作用というのは、その戦い自体を抑えることなので、外邪から身を守ることを考えると一概によい方法とは言えないことも知った。一番有名なのは、抗炎症ホルモン、コルチゾール。つまりステロイドだ。

ステロイドも体内から出る分には通常適量出るのみであろう。しかし、外から補いすぎると、やはりからだは本来の働きを失いがちになることは否めないと思われる。

アレルギーや自己免疫疾患は、外邪から守ってくれるはずのおまわりさんが、どういうわけだか地域の道路や建物を破壊したり、一般の住人に危害を加えたり・・・・という誤作動が起こるような感じかもしれない。それをコルチゾールの力で押さえ込む。とりあえずその場はよいかもしれないが、本当の敵が現れたときに、おまわりさんがしっかり戦ってくれなかったら・・・・?それは困る。

話が少しそれた。

血管拡張物質であるブラジキニンやヒスタミンは発痛物質でもあるので、それもあって痛みてんこ盛りなのかもしれない。

痛みでもうろうとする頭でそんなことを考えながら3日間寝込み、ようやく回復していった。

まとめると、

外邪(菌やウイルス)を察知して白血球などの免疫細胞が働いてくれている→からだ全体のシステムでその外邪との戦いがうまくいくよう、特定の物質が出る→その際に痛みや熱が出る→戦いが無事終わったときに、からだは回復してゆく。