整形外科の医師は、「そんなに心配しなくてもいいような気がするけど~。気にしすぎじゃないの。」と言う。

このセリフ、よく言われるのだが、自分としては訳の分からない症状が表れているというのは何とも不安なのだ。訳が分かれば、大丈夫。訳を分かりたいのだ。

「今鍼灸の学校行ってるの?へえ~それはまた、今までの仕事と異色な道に進んだね。」

このセリフもまた、よく言われる。

私の症状より私の進路に興味を持った様子の医師。

このまま検査する必要がないと判断されてしまいそうだったので、

「小指にしびれが出ているので、デルマトーム的にL5/S1間領域のヘルニアかなと思って受診しました・・・。」私が消えそうな声でそう伝えると、医師は横目でちらりと私を見てから、とりあえずレントゲンを撮るよう指示を出してくれた。

レントゲン撮影後、しばらく立ってから再度診察室へ。

すると、さっきの医師の様子がちょっと変わって、なんだか神妙だ。

画像を指しながら「これ、なんだか分かる?」椎骨の横の伸びた部分について尋ねる。

「肋骨突起・・・。」

「そう、あなたのL5(腰椎5番)のこれが大きくて、仙骨との間がせまい。また、S1(仙椎1番)の椎間板が、薄い。」

やっぱり、そこに問題が!が~ん。

「ヘルニアかどうかは、MRIを撮ってみないと分からないね。」

ということで、翌日のMRIを予約する事態にまでなった。

医師は最後に「よく勉強してるね。さっきの質問、新人の整形外科医に聞いても半分くらいしか答えられないと思うよ。」と。

まさかそんなこともないだろうと私は思ったが、確かに、鍼灸学科では思った以上に整形外科疾患について細かく学ぶ。クラスメイトの中にもスポーツ外傷を専門に見ていくような人が結構いるし、骨や筋肉のケアに鍼灸は大きな役割を果たすのだろうと思う。

「ヘルニア疑惑」、長くなるので、続きはまた次回。

投稿者

かおり

2022年度末に22年間続けた職を辞し、鍼灸学科の学生になる。自然・健康・環境に即した医療や生き方を、東洋医学を通して学び中。