先週のある晩、ブラシで髪をとかしていたとき、ブラシについた1本の髪が目に止まった。
「白髪・・・。」20㎝ほどのその髪をつまんでみる。
ん?
毛根がついている部分が根元なわけだが・・・。その根元部分だけが1.5㎝ほど黒い。
これは、白髪が黒く復活中だったのでは?
私はそれを「奇跡の白髪」と名付け、化粧台の上に白いタオルを引いて安置した。
どうして?
秋が来れば緑の葉っぱが赤や黄色に色づくのも自然の摂理。人生の秋にさしかかった自分の髪に白いものが輝くのも致し方ないと思っていたが。やはりちょっと嬉しい。
あれのおかげかな、これのおかげかなと思うものはいくつかあるが、もしかしてこの1~2ヶ月、鍉鍼でザリザリと頭皮を擦っているおかげかな、と思った。
鍉鍼は小児鍼で使うことが多い刺さない鍼なのだけれど、形状としてはスプーンの柄とそう変わらない。それに指を添えて皮膚表面を擦過することにより血流改善させたり邪を流したりする。
頭には膀胱経や胆経、督脈などが流れていて、ツボが目白押しだ。そして意外に触れてもらえない場所である。目の疲れなどにもいい。デスクワークが長い人は十中八九頭皮が凝っている。
次の日
朝一番で奇跡の白髪を写真撮影する。うーん、髪の毛一本だけをはっきり撮るのは難しい。何か紙を敷いてその上に乗せて撮影してみようか・・・。と一瞬目を離した隙に、エアコンの風に吹かれて、奇跡の白髪はどこかにいってしまった。
「あ~、ママの奇跡の白髪が~!」
娘は抱腹絶倒している。私は床に這いつくばって探してみる。これか?と思ってつまんでみると、それは猫の毛だった。
仕方ない、奇跡の白髪が増えるよう、今後も鍉鍼を続けてみよう。
