実力テストが終わった!

直後はなんだかまるで、たましいが抜けてしまったかのようだった。

今回は運動と食事の管理を整えて、わりと体調よく本番を迎えられたと思うのだけど、それでも脳に負荷はかかるのだろう。

私は吹奏楽経験者なのだけれど、よく音楽室の壁とかに「一音入魂!目指せ金賞!」みたいな掲示物が貼ってある学校は多い。それに近いもので「一問入魂!目指せ○点以上!」みたいなことを心のどこかでやっているのだろう。

学んだことがしっかり頭に入っているのを確認すべく、テストに挑むのはもちろん大事。でも、そこが目標でなく、学んだことを実生活に役立たせたり、将来臨床で対峙するであろう様々な症状への治療方針に生かせるかどうかのほうが大事。そう、知識は使ってこそ知恵になるのだ。

甲状腺

病理学で学んだばかりの部分より、今日は甲状腺について。

前々回の記事で「代謝を上げるには」というものを書いたが、代謝に関するホルモンを出している器官のなかのひとつに甲状腺がある。

この甲状腺のホルモンはサイロキシントリヨードサイロニンといって全身の代謝を促進させる。人間ドック等でこの値を見るのであればそれぞれFT4、FT3、と表記されているはずだ。

もし、何らかの理由によって甲状腺刺激ホルモン受容体へ過剰な刺激が入ってしまうと、バセドウ病といって、機能亢進してしまうようになる。つまり、必要以上に代謝が上がりすぎて、体が頑張りすぎている状態だ。結果、頻脈(100以上)、眼球突出、甲状腺の腫大が見られるようになる。

対して、甲状腺組織の破壊や炎症が起きてしまうと、橋本病という機能低下が見られる症状が出てくる。こちらは代謝が低下し、徐脈(60以下)、寒がり、疲れやすい、やせにくい、などが見られるらしい。

代謝は、上がりすぎても下がりすぎてもうまくないのだ。

これら甲状腺の異常は、心配ない範囲でチョロチョロと出てくることもあるし、なかには自己免疫疾患として、自分の抗体が間違えて自分の器官を攻撃することにより上記のような病気として発症してしまう場合もある。

昔、母が「橋本病かもしれない。」と医師に言われるような血液の数値だったときがあったが、その後は特に大丈夫らしい。

私が思うに、病気と健康は、はっきり白黒つけられるようなボーダーラインがあるものではなく、それはグラデーションなのだと思う。昨日まで全く健康、そしてある日突然○○病になる、ということではなく。自分が感じている、または困っている症状やからだの声は誰がなんと言おうと絶対的なものなのだ。医師の診察や検査数値はもちろん参考にするけれど、○○しやすいとか、○○気味だ、などというかすかな感覚までも重要な手がかりとして、その人の心身の状態を多面的に診ることが大事だと思う。人は、本当に千差万別なのだから。

投稿者

かおり

2022年度末に22年間続けた職を辞し、鍼灸学科の学生になる。自然・健康・環境に即した医療や生き方を、東洋医学を通して学び中。